- 針しごと
大島紬のお着物から作る、セットアップ
- 2024/07/10
70代ミセスのYさんのために、セットアップのお洋服をお仕立てしました。
今日はブラウスとスカートの、オーダー事例紹介です。

前に、棺に入るときのワンピースオーダーのことを紹介していました。
https://atta-sewing.jp/archives/2221
その方がオーダーしてくださった、もう一つのお洋服なのです。

大島紬の着物は、ご自身でほどいて洗っていたものがあって・・・とご持参いただきました。
まもなく80代だからそんなにたくさんお出掛けするわけではないけれど・・・
それでもこの着物を大切にしたくて、出来ればお洋服にしてほしい、とのご希望です。
打合せでどんなブラウスにするかお話をしたのですが、
衿はいらない、首元は狭いほうがいい、着脱がラクチンなものの方がいい、あとはシンプルでいい、というような内容でした。
身長140㎝の小柄なYさん。お綺麗で上品なお顔立ちの方です。
大島紬の柄は、そのまま利用するとお体に対しての柄が大きいので、
どうやってコンパクトにかわいらしく上品に見せるかにこだわってデザインとサイズ感を考えました。
↑ブラウスの前身頃の裁断。
ブラウスを作る時、裁断の様子。柄合わせが一番緊張します。
緊張するけど、じっくり吟味しながら楽しい時間です。
↑ブラウスの後ろ身頃の裁断。
柄の配置に気を付けて・・・Yさんの雰囲気を考えて、そして全体のバランスを考えながら切り出しました。
目指すのは、上品で、可愛らしい大島紬のブラウスです。
そして、完成したセットアップがこちらです。

小柄で細身なYさんがふんわり見えるように、スカートはボリュームを意識しました。
ウェストはゴム使用で、サイズ調整可能にしてほしいとのご希望。

切り替えにネイビーの生地でラインを入れました。

カフスと衿もネイビーにして、女性らしさを追加。

背中の柄の配置もとても気に入っていただけました。

大島紬にギャザーをどのくらい入れるかを考えるのも、Yさんのイメージにあうボリュームを考えて微調整しています。

Yさんにセットアップの感想を尋ねてみました。
「いろんなお洋服やさんがあるけど・・・、着物のリメイクだともうデザインはこれです、って言われて、なかなか自分のサイズに作ってもらえないことが多いのよ。今までにお店に出会えなかったんだから・・・。だからね、今回は自分サイズに作ってもらえて、デザインも良いし本当に嬉しいわ。」
大島紬のセットアップのご依頼ありがとうございました。
〈参考事例 Yのオーダースケジュール〉
2月上旬 お問合せ
4月 ご来店・アトリエにて打ち合わせ・デザイン確定
6月中旬 ご来店・仮しあげのチェック
7月上旬 ご来店完成品のお渡し
※現在オーダー受付は、常時立て込んでいる為、お問合せいただいてから約3か月~半年後に打ち合わせをさせていただき、お会いした時に仮仕上げと完成時期の目安をお伝えしています。